「糸調子とは何?」「どうやって調整するの?」「ミシンを買うのに、糸調子のことを考えた方が良い?」そんな疑問を持っている方へ向けて、洋裁用語集の「糸調子」について、ダウンロード型紙販売の+sewが詳しく解説しているページです。
糸調子とは
ミシンの上糸と下糸のひっぱり合う強さのことです。
直線ミシンのステッチは、手縫いと違い上糸と下糸の2本を使ってステッチをします。
そのステッチは、ループ状になった上糸に下糸が交わることで出来ます。
画像:wikipedhia
糸調子が合うとは?
『糸調子が合っている』=上糸と下糸が生地の真ん中で交差する状態です。
ちょうど上の画像で見るところの、黄色と緑の糸が真ん中で交差しているのが分かると思います。
糸調子は意外に繊細
ミシンは丈夫で長持ちするものですが、糸調子は、意外に繊細なものです。
糸調子は、布地や糸を変えるだけで調子が変わってしまうので、一度合わせればOKというものではありません。
だから、ミシンでステッチをする前には、必ず試し縫いをして、ステッチの具合をチェックしながら調整する必要があります。(店主の小糸は、ぞうきんとか、糸調子がどうでも良いと思うものは、試しぬいをせず作っています。笑)
糸調子が悪い時にまずやるべきこと
糸調子が悪いからと言って、いきなり糸調子のダイヤルを回すのはやめて下さいね。
糸調子は、引っ張る強さだけでなく、上糸や下糸(ボビンのかけ方)を間違えていることでも違ってきるんです。
糸調子が悪い時は、一番最初に、糸をかけ直すことから始めると、間違いがありません。
せっかくちょうどよかった糸調子が、糸のかけ間違えで狂っている時に、糸調子ダイヤルを回したことで、良い状態に戻せなくなることがあるからです。
ちなみに、一か所でも糸かけから糸が外れていると、糸を引っ張る力(テンション)が狂って、糸調子も変化しちゃうので、かならずすべての糸かけに糸をかけてくださいね。
家庭用ミシンの糸調子調整方法
家庭用ミシンの主流である水平釜は、下糸の調整が不要で、上糸の調整だけを行います。
糸調子を合わせる時は、糸調子のダイヤルやメモリを変えては試しぬいをして、チェックを繰り返してくださいね。
職業用ミシンや工業ミシンの糸調子調整方法
職業ミシンや工業ミシンなどの多くは垂直釜で、ボビンケースを縦にセットします。糸調子はボビンについている糸調子ばねのネジで下糸の調整を行います。
ボビンから糸を持ち、ヨーヨーのように手首のスナップを効かせて振り下ろすと、ボビンが下がります。その時、床にあたる直前で自然に止まる強さが良いとされています。(店主の小糸は専門学校で学びましたが、ミシンの取説にも書いてあるのかな?)
これが中々難しいんですが、少しづつドライバーで微調整してくださいね。(ポイントはちょっとづつです。)
糸調子の状態
糸がミシンに正しくセットされ、糸調子が良いと…。
上糸と下糸のバランスが良い状態・表から見ても裏から見ても縫い目が一定。
正しい糸調子で縫うと、仕上がりもきれいで丈夫な出来上がりになります。
糸調子の良し悪しの見極め方
糸調子は、交わった部分がどこにくるかで、上糸か下糸のどちらの糸調子が強すぎるのか、弱いすぎるのかが分かります。
上糸が強すぎる場合
上糸が強く下糸が負けてしまい、表側のステッチが一直線状で抜けやすい。
調整方法
上糸を弱くする。ボビンケースのあるミシンは、下糸の糸調子を強める。(下糸が適正な強さの場合は、上糸のみで調整する。)
上糸が弱すぎる
上糸が弱く下糸に負けてしまい、裏の糸が一直線状で抜けやすい。
調整方法
調整方法上糸を強くする。ボビンケースのあるミシンは、下糸を弱める。
ミシンを買時に糸調子のことを考えた方が良い?
+sew的には、考えた方が良いと思います。
家庭用ミシンの多くには、自動糸調子がついています。
自動糸調子がついているなら、どれでも同じと思いがちですが、実は自動で糸調子を整える幅が違います。
例えば、安いミシンの糸調子のパターンが4つだとすると、高いミシンの糸調子のパターンは、8つあるという感じで、高いミシンの方が糸調子がキレイに合いやすいんです。
厚手のデニムから薄手のジョーゼットまでいろいろ縫う方は、自動糸調子のついたある程度の値段のミシンがおすすめですが、そうでなく、いつも中肉生地(ツイルや綿、リネンなど)しか縫わないのであれば、安いミシンでも良いかも知れません。
+sew的には、ミシンのパワーが違うので職業用ミシンをオススメします。家庭用ミシンよりもステッチが断然キレイです!