+sew店長の小糸
このページでは、私が使っていたり、おすすめする便利な洋裁道具をご紹介しています。今回は「糸切りはさみ」です。

 

これはあくまで店長が使用した時に感じた感想です。人によって感じ方は違いますので、違う意見をお持ちの方はどうか広い心で読んでくださいね。

 

 

以前使っていた糸切りはさみ

アンティーク糸切りはさみ小はさみ

実は2・3年前までこのはさみを使っていました。私が購入した時は500円くらいでした。

どこかの観光地で買いました。(ばっくりしすぎですみません。たぶん関西圏です。)

旅行した時にかわいい雑貨屋さんがあったので、そこでおみやげでも買おうと思っていたのに、なぜか生活必需品だけを買ってしまった感じで。

9年くらい前に買ったのですが、その時期にはいろんな雑貨屋さんに置いてあったハサミだった記憶があるので、みなさんの近所にも売っていたかも知れません。(結局荷物になっただけの買い物体験だった気が…。)

下の写真で一番上のデザインのはさみです。この写真は色が黒めになってますが、たぶん私のものと同じはさみです。色のバリエーションは無かったので…。

 

 

 

なぜにぎりハサミが欲しくなったのか?

切れ味も問題なかったので、これで充分だったのですが、変えたくなる瞬間がありました。

それはソーイング中にササッとカットしたいのに、「はさみの穴に指を入れるの面倒くさい問題」のためです。

+sew編集部
そんなライトな面倒くさい問題なんてありました?

例えば、衿ぐりに切り込みを入れるとか、余分なミシン糸をカットするのが頻繁にあるとか、そんな時にさっと使いたいのに、いちいち指を入れるのに、慎重に穴をめがけて指をつきささなければならないのが嫌だったんです!

+sew店長の小糸
はさみはいつも手探りで探しながらソーイングしてます!(いや、言い方!)

なので、指を入れる必要のない「にぎりはさみ」タイプが欲しくなってきました。

+sew店長の小糸
これならよそ見しながらでも、はさみをつかめる!

+sew店長の小糸
みなさんは、しっかり目で見てつかんでくださいね。安全第一!

 

最初に欲しいと思った糸切りはさみ

まず最初に、縫製の仕事をしていた母親が使っていた握りはさみを思い出しました。

ナス印のはさみです。

母はいつも「にぎりはさみはナス印に限る。」っと呪文のように言っていました。(笑)

+sew店長の小糸
「布切りはさみは庄三郎だ!」とハサミを知らない人には意味不明なことも言っていました。(笑)

子供の頃は、ボタン付けや靴下の補修(今はやりませんよね)をする際に、いつもナス印のはさみを借りていました。確かに使いやすくよく切れました。

どうやら岐阜県のおとなり愛知県のメーカーさんが作っていたようですので、東海地方の縫製のプロはナス印をよく使ってたんじゃないかなと思います。

母親の呪文がじりじりと浸透して●0年後に「そうだ!アレしかない!」と思いたって、いざ買おうとしたところ、何と販売終了になってまして…。結局その時は購入出来ませんでしたー。

ホームページに製造中止との表示があった記憶がありますが、今は楽天やAmazonでも販売しているので、みなさんの後押しで復活したのかも知れませんね。

 

 

とりあえず試したかった糸切りはさみを購入

プラスティックの小はさみにぎりはさみ糸切りはさみ

ナス印のはさみが無かったので、気になっていたはさみを「ついで買い」することにしました。

楽天で人気のお店「安藤ミシン商会さん」でミシン押さえを購入の時に、前から気になっていたので試しに買ってみました。(安い!)

一度、このプラスティックで作られているタイプのはさみを使ってみたかったんです。

届いたはさみを見てみると、オレンジ色のプラスチックの中にバネが入っていて、かなり切れ味が良く、全くひっかかりがなくスムーズ。

「これはすごい!」と2・3日使いまくっていましたが、あまりの握り具合の良さに、無意識で空切りしている自分がっ!

あっという間に刃同士のすれ具合が変わってしまい、スムーズさもなくなり切れなくなってしまいましたー。(チーン…。)

切れなくなった理由は私の使い方の問題ですが、レビューでも「よく切れる。」「あんまり切れない。」という2極化しています。

海外製のため、商品のあたり外れもありますが、保存の仕方や配送時に刃の角度が変わってしまったり、複数の部品で構成されているので不安定になりがちだという原因もありそうです。

(あたりの良い商品が届いて、丁寧に扱う方にはとってもオススメなハサミです。)

 

プラスティックの小はさみにぎりはさみ糸切りはさみの注意点

 

ちなみにこのタイプのはさみの中にはバネが入っているので、上の写真のように、ふとした瞬間に真っ二つに割れてしまう?感じになりがちです。(すぐに直せます!)

そのため、ガンガン適当に使う人(だから言い方!)は、一枚板で出来た握りはさみ(つぎめのない金属製のはさみ)の方が良いと思います。

ちなみに一枚板でどんなに切れ味の良い糸切りはさみでも、力を入れて握るため、刃の角度が変わり刃こぼれしがちになります。

なのでどんなはさみでもずっと同じ切れ味ということはありません。

ただし、一枚板だとチョイっと曲げ直せば、また普通に使えるようになるので手入れがラクな気がします。

+sew編集部
チョイ曲げって…。はさみ職人に怒られそうな使い方!刃こぼれしないように、みなさんは大事に使ってくださいね。

 

なので、プラスティックえのついたはさみではなく、結局ナス印のように、一枚の金属でできたはさみを探すこととなりましたー。

 

 

糸切りはさみに求める条件

最初は安くて評判の良い糸切りハサミはどれかな?と検索し始めましたが、よくよく考えてみると、私は洋裁道具を頻繁に買い直したりしないタイプ。

「安物買いの銭失い」的な発想もありますが、道具に関してはずっと使っているものが使いやすくなるタチなので、金に糸目は付けず「一生もののはさみを購入する」ことに決めました。

+sew店長の小糸
今こそ大人買い!

そこで考えた条件は以下です。

欲しい条件

  • 余分な部品がついていない一枚板でつくられた糸切りはさみ。
  • 日本製で職人が最初から最後まで手打ちのもの。
  • 鋼(炭素鋼)で出来ている→ほかの素材にくらべて硬くよく切れ、摩耗性も高いらしい。
  • 持っていると気分が上がるものが良い。(そんなのあるの?)
  • 3万までなら即決で。

+sew店長の小糸
日本人の仕事に対する考え方や姿勢が好きなので、日本の職人が作ったものに弱いです。地場産業とかにも弱い。(笑)

 

 

選んだ糸切りはさみは?

すったもんだのすえ、今使っている糸切りはさみはこちら。

+sew編集部
イヤ、ゴタゴタの原因は、ほぼあなたです。

手造り和鋏職人の水池長弥(みずいけおさみ)さんが作る握りハサミです。

水池さんは現在唯一の手造り和鋏職人だそうで、これまでに”現代に残る匠”としてNHKの取材を2度、3度受けた日本伝統の鋏の職人とのことでした。

 

現在、お弟子さんがお一人いらっしゃるようですが、水池さんのハサミを買えなくなるのも時間の問題です。

たぶん御年76歳。5年前のインタビュー時で、すでに体力的に1日中はさみを作ることが難しいとのことで、今を逃したら買うことが出来なくなりそう!というのもこのハサミを買った理由の1つです。

 

(アメ細工職人の手塚新理さん専用の握り鋏を作ることのできる、日本で最後の職人との情報もありました。)

上の写真に写っている真ん中のゴールドを購入しましたよ~。

+sew店長の小糸
糸切りハサミでGOLDって何!かわい過ぎっ!

 

自分への誕生日プレゼントだったので、包装して頂きました。(過剰包装ですみません。)

播州刃物 水池長弥(Osami Mizuike)/弥左衛門プレゼント包装

 

桐の箱に入っていました。

桐の箱に入った糸切りバサミ

 

布の中からはさみが登場!高級感がすごい!

布をあけるとはさみが出てきます

 

つや消しの塗装?部分を握った感じは違和感もなくしっくりきます。

他のにぎりはさみを購入していないので比べられないのが残念ですが、握りにくさや頼りなさ、固すぎ感もありません。

切り心地もスムーズで、先がキレイにとがっているので切りやすい。

どんなに良いにぎりはさみでも、落としてしまうとどうしても若干ブレが出て、刃こぼれしそうな感じでひっかかりが出てきたり、逆にスカスカになって切れなくなる可能性はありますので、そこはこのハサミであっても注意が必要です。

1枚板から出来ているので、手でぐいっと調整すれば使い心地の良い状態になると思います。(←ずぼら店長の考えなので、自己責任でお願いします。)

播州刃物 水池長弥(Osami Mizuike)/弥左衛門2年後

ちなみに、にぎりはさみには最も一般的な東型(あずまがたと読む-関東型とも言う)・長刃(ながはと読む-関西型とも言う)があります。

我が家には両方ありましたが、母親も私もよく東型を使用していたので、こちらの形を選んで使っています。

 

このハサミ以外はダメなのか?

私はこれしか持っていないので予想になりますが、海外で大量に作っているようなはさみではなく、日本製である程度の金額のはさみであれば近い使い心地になると思います。

ミシン縫いしている時に落としてしまうことも多いので、リカバリーが簡単にできる一枚板から作られているはさみなら、ほとんど変わらない様な気がします。

毎日8時間、糸切りはさみで作業し続けるワケではないので、今回買ったはさみと2000~3000円のはさみの違いをそこまで感じられるかというと、ちょっと懐疑的になってしまう店長です。

+sew店長の小糸
ある一定以上のレベルのはさみであれば、その違いが分りにくいって感じです。

+sew編集部
レベル1で切れるのもを、レベル10で切ってもレベル8で切っても、レベル1で切れてるから違いが分かりにくいってイメージかな?

個人的にナス印のハサミはオススメできます。

 

 

このはさみを買ってよかったこと

この糸切りはさみを見るとほっこりして縫いモチが若干あがります。(笑)他では売っていませんからね。

私にとっては、初めて道具でテンションが上がるアイテムとなりましたー。

大事にしたいという気持ちになってきますし、2年前に買ったにもかかわらず、未だに何かテンションが上がります。

+sew店長の小糸
とにかくキレイ!かわいくて仕方ない糸切りばさみです。使うたびにニヤニヤが止まりません。

こんなに高いはさみを買う必要はありませんが、一生ものの道具だったり、テンションが上がる道具かどうかを決め手にするのはおすすめです。何だか幸せな気分になります。幸せな気分になれる道具が最強だと思っています。

 

ある程度の金額で切れ味を望む方は、ナス印の小バサミをおすすめします♪

 

最後に、私の買った糸切りはさみに14300円の価値があるのか聞かれれば、デザイン性と水池長弥さん作のハサミだという特別感でかなりの満足感があるので、個人的には価値があります。

しかしそこに価値を感じない場合は、ナス印のはさみがオススメです。

ご紹介した糸切りハサミにこだわらず、あなたが良い道具と出会えることを願っています♪

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