
80・90サイズの袖巾、ちょっと見直すかもしれません🧵
こんにちは。
今日は、最近いただいたお問い合わせをきっかけに、80・90サイズの袖についてちょっと見直しを検討しているお話です。
先日、ビッグラグランの90サイズの型紙について「袖リブがうまく縫い合わせられない」というご相談をいただきました。
すぐに型紙をチェックしましたが、特に問題は見当たらず。念のため、片袖だけ裁断して実際に縫ってみることに。
ちゃきステでも、モニターさんに作っていただいた際でもスムーズに縫えていたので、素材の問題かな?とリブのお写真を送っていただいたところ…今回使われていたのは「ポリウレタン3%・1×1のリブ」。

とはいえ、私自身はPU3%のスパンテレコをアパレル時代もハンドメイドでも使ったことがなく、正直、伸び率の違いについては明言できず…。
ただ、写真を見る限り少し光沢があったので、「もしかして化繊系?」と推測したり。
(結局、化繊だったのか、光沢のある綿だったのかは不明ですが、一般的に化繊系のリブは伸びが控えめな印象です。)
ちなみに、PU3%がNGというわけではありません。
とは言え、よく使われているのは「綿95%・PU5%」のリブではないでしょうか?
「付属リブといえばコレだよね」という定番のリブであれば、問題なく作れる型紙ではあるのですが…。
スパンテレコ40/がおすすめ。(裏毛の場合は20~30番でもOK!)
リブについての補足をちらりと
ちなみに、PU3%でも2×2のリブなら問題なく使えることもありますし、素材や編み方によっても違いが出たりします。
極端な例では、同じ組織・素材でも、糸の仕入れ先や編み立て工場の違いで、仕上がりも伸びもキックバックも差が出ることもあります。そのため、はっきりとした基準をお伝えできず申し分けない…。
(海外の工場手配では、素材や混率などを指定して洋服をつくっても、工場によって、いつも伸びが悪い生地しか手配できないとかの特長があったりします。そんな世界線で生地も洋服も作られています。)
で、どうなった?
話が少し脱線しましたが、ちゃきステとしては以下のように対応しました
• リブの変更が可能な場合 → PU5%のリブに変更をご提案
• 生地変更が難しい場合 → 修正した袖リブパーツを個別にお渡し
結果的には、リブを変更して無事に完成していただけました。
ただ、100サイズ以上と比べて、80・90サイズはぽわん袖のボリュームが大きめ。
そのため、伸びが控えめなスパンテレコだと、縫いづらさを感じる方もいらっしゃるのかも…と思い、袖ごと見直すかどうか、今ちょっと迷っているところです。
(ちなみに、袖リブと袖口の倍率は問題ありません。パフスリーブなんてもっとリブと袖口に差がありますしね!)
生地によって縫いやすさが変わるのはよくあることだけど…。
とはいえ、生地指定ができない型紙屋としては、できるだけ多くの生地で「縫いやすい」ことも大事にしたいところ。
この型紙は、ラグラン袖のビッグシルエット。
特に80・90サイズは、100サイズ以上と同じバランスでは型紙として成立しない構造になっていて、実はかなり細かく調整しています。
たとえば、80サイズをそのまま製図すると、線がつながらなかったり、無理に形にすると着心地がガクッと落ちてしまったり。
そこで、袖丈・アームホールの形・長さ・肩の傾きなどを総合的に調整するために、プロのパタンナー2名で何度も検討を重ねました。
その結果、80・90サイズは、100サイズ以上とは異なるバランスで仕上げています。
その過程でぽわん袖具合が大きくなりましたが、小さなお子さんならぽわん袖がよりかわいいかな?と思い、この状態で完成としていました。
それでも、今回のように「生地によって縫いづらい」というお声があると、やっぱり気になります…。
なので、袖巾をほんの少しだけ見直そうかな…と、ただいま検討中です。
まだ確定ではありませんが、より安心して作っていただけるように、これからも細かい部分まで見直していきますね🌿
進展があれば、またブログやSNSでお知らせします!
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