「ミシン縫いステッチにはどんな種類があるの?」「色んなミシンの縫い目の使い方を知りたい。」 そんな疑問を持っている方へ向けて、型紙屋が洋裁用語集の「ミシンの縫い目」について、詳しく解説しているページです。
ミシンの縫い目にはどんな種類がある?
直線縫いなどの実用的な基本縫いから、生地端の処理をする裁ち目かがり縫い、ボタンホール、飾り縫いなど種類がたくさんあります。
キルトやパッチワークに対応しているものや、ミシンのメーカーによっても様々な模様があり、それらを合わせると200種類以上はあります。実用的な縫いだけなら、20種類前後もあれば十分ですが、ミシンに内蔵されているステッチの種類が多いほど、素材や用途によって使い分けることができ、作品の幅も広げることができます。
直線縫い
ミシン縫いで一番基本となる縫い方。主に地縫いに使用する。ギャザー寄せやピンタック、ファスナー付けの際に使用する。押さえ金に対してミシン針の位置を中央・左・右と変えることができ、用途によって使い分けする事ができる。(ミシンのメーカーによっては、中央と左のみ、または中央と右のみの場合もある。)
直線縫いの一般的なステッチの長さは、3cm間に10針がよいとされています。
ジグザグ縫い
縫い代の布端がほつれてこないよう、裁ち目かがりの役割をしてくれる縫い方。布地のはぎ合わせや、アップリケの縫いつけ、飾り縫いとしても利用できる。
点線ジグザグ縫い
別名「3点ジグザグ縫い」
普通地はもちろん、薄地のものや一枚布で生地にしわが寄りやすく、巻きこまれやすい時に使用する。厚地のものや伸縮性のある素材の裁ち目かがりとしても使用できる。伸縮性を活かし、ゴムひも付け縫いにも使用される。
伸縮縫い
別名「ニットステッチ」
ニット生地などの伸縮性のある素材にオススメの縫い方。布地を伸ばしても、伸び縮みしやすい縫い目なので縫った布地を伸ばしても、糸が切れにくい。飾り縫いとしても使用できる。
まつり縫い
別名「かくし縫い」
パンツやスカートの裾上げや、シャツやブラウスの袖口をまつる際など、表に縫い目を見せたくない時に幅広く利用できる。普通地用と伸縮地用とあり、それぞれ縫い目が異なるため、素材によって使い分けるとよい。(伸縮用には伸縮まつり縫いを使う場合あり。)
オーバーロック縫い
別名「縁かがり縫いミシン」
地縫いと裁ち目かがりを同時に行うことができる。縫製効率の良い縫い方なので、衣服製造にはよく用いられる。
ダブルオーバーロック縫い
オーバーロックと同様、地縫いと裁ち目かがりを同時に行うときに使用する。オーバーロックとの違いは、地縫いステッチが2本になっており、ほつれやすい布地に最適なかがり縫い。平ゴムなどの縫い付けの際に使用。
シェル(タック)縫い
貝殻のように丸みのある円弧状のひだが、直線に並んだステッチ。小さなスカラップのようでもある。
生地端を折り曲げ、その生地の外側に針が落ちるように縫い、タックを作っていく技法。生地端に縫った糸が強く引き寄せられ、貝殻のような形になる。ピンタックの変形。曲線的な柔らかさがあり、立体的な裁ち目が特徴。
三重縫い
ステッチの中でも丈夫な縫い目。袖付けや股ぐり、股下などの力がかかる部分の縫い目を丈夫にし、補強したい場合に使う。伸縮性のある素材を縫う際や、飾り縫いとしても使用する。
ボタンホール縫い
釦を通す為の穴をかがる縫い方。ミシンのメーカー、性能によってボタンホールの種類は異なるが、「両カン止め」「ネムリ」「ハトメ」「ニット用」「飾り用」などがよく使われる。
飾り縫い
装飾用ステッチの総称。飾り用のステッチ。実用的な基本ステッチを飾り用に使用することもある。ミシンメーカーや機種によって、ステッチの種類や、呼び名も異なる。実用的な基本ステッチとは別に付けられている縫い方のことを言う事もあり、飾り縫いの種類や量もミシンを選ぶ際の検討材料になる。