「並縫いってどんな縫い方?」「並縫いとぐし縫いの違いは?」そんな疑問を持った方へ、プロの型紙屋が洋裁用語集の「並縫い」と「ぐし縫い」について解説しているページです。
並縫いとは
主に、手縫いで表と裏を同じ縫い目の長さで等間隔でまっすぐに縫うこと。ミシン縫いの場合は、直線ミシンで縫うといわれる部分。
和裁では、『運針(うんしん)』と呼ばれています。
手縫いで裁縫する場合に、直線縫いの一番基本となる縫い目です。
布を縫い合わせる時や、仮縫いやしつけ、ギャザーを寄せ、パッチワーク、アップリケ等に使用します。
ミシン縫いでは、「直線ミシンで縫う」とか「地縫いする」という場合に、使われている縫い目のことです。
ぐし縫いとは
表と裏を等間隔の針目で、細かく縫っていく縫い方のこと。(並縫いと同じ縫い目です。)
一般的には、並縫いもぐし縫いも同じ意味として使用されています。
ミシン縫いでは、「ぐし縫い」という呼び方の縫い方は、ありません。同じ縫い目を手縫いと同じ名称で表すときは、「並縫い」になります。
「ぐし縫い」には「並縫い」と大きく違う使用目的があります
「ぐし縫い」は、ギャザーを寄せたり、縫い縮めるための下準備として使用する縫い目
洋服を作る際に、長さの違う布パーツを縫い合わせる場合は、片側を縫い縮めながら縫う必要がありますよね。(いせ込みやギャザーで使用します。)
その時、縫い合わせやすいように、下準備として縮めたい側を縫って、生地を指定の長さに縮めるように絞ることを「ぐし縫い」と言います。
ギャザーを作る時は、ぐし縫いを2本入れて、左右から絞ると、均等にギャザーが入りやすいです。
普通にまっすぐに縫う場合は、「並縫い」とも「ぐし縫い」とも呼ばれますが、縮めること目的として縫う場合は「ぐし縫い」と呼び、「並縫い」と区別しています。ここが大きな違いです。
ミシンの場合は、主に直線ミシンを使って「ぐし縫い」と同じ役割をする縫い方として「粗ミシン」をする場合が多いです。
手縫いの「ぐし縫い」と違い、普通の縫い目よりも荒くなるように、ステッチ巾ダイヤルを大きくし、縫ったあとで生地を絞りやすくする縫い方です。
並縫いとぐし縫いとの縫い目の違い
同じ縫い方ですが、人によって「並縫い」は「ぐし縫い」より縫い目の間隔が広いものと定義しています。
- なみ縫いの縫い目は、おおよそ0.3~0.4cm程度。
- ぐし縫いの縫い目は、おおよそ0.2cm程度。
運針の縫い方(並縫いとぐし縫いと同じ意味)
並縫い・ぐし縫い・運針(うんしん)は同じ縫い目ですが、生地の持ち方や針の運び方に違いがあるのが、運針ではないでしょうか?
運針は、和裁の基本である並縫いを、キレイに早く完成させるための位置づけだと、+sew的には考えています。
よりキレイで正確に縫うためには、運針を習得するのが理想的だと思います。
運針は針ではなく、布を動かすのがポイントです。
習得できれば、流れ針(縫い目がななめ)にならず表と裏がそろったステッチで、まっすぐ縫うことができますよ。
利き手の人差し指と親指で針と利き手側の布を押さえて、反対側の手を手前と向こう側(利き手の親指側と人差し指側)へ交互に動かすことによって、縫い目が出来ていきます。
13時までの注文で即日出荷。針の持ち方の写真が載ってて分かりやすい。